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自衛隊の階級名を国際基準に合わせる前に議論すべきこと
階級呼称の国際標準化を進める政府の方針
政府は、自衛隊の階級名を諸外国の軍隊に準拠した呼称へと改める検討に入った。これまで日本は軍事色を抑えるために独自の呼称を採用してきたが、階級名を国際基準に合わせることで国民の自衛隊への理解を促し、自衛官の地位向上や士気高揚につなげると説明されている。
自民党と日本維新の会の連立合意書にも、令和八年度中にこの変更を実行するとの記述がある。具体的には、統合幕僚長や陸海空幕僚長を大将、その他の将を中将、一佐を大佐、一尉を大尉とする案が示されている。一方、曹や士の呼称を二等兵や一等兵とする案には、現場で拒否感が出かねないとの指摘もある。
自衛隊の階級構造そのものは諸外国軍に近く、英語訳も米軍とほぼ同じである。しかし、日本語表記にすると一佐と三佐の上下関係が分かりにくいなど、国民に理解されにくい部分があることは確かだ。
憲法上は軍隊を持たない国が、なぜ軍隊に合わせるのか
ただ、この議論にはどうしても気になる点がある。日本は憲法上、軍隊を保有しないという建前を維持している。自衛隊は軍ではないという論理が制度の根幹にある。それにもかかわらず、軍隊の階級体系に合わせる必要がどこにあるのかという疑問は残る。
国際協力の場で分かりやすいという説明自体は理解できるものの、建前と実態の間に生じる矛盾をどう整理するのかについて、明確な答えは示されていない。
名称を変えても自衛官の地位向上にはつながらない
政府は、階級名の変更が自衛官の士気や地位向上につながると説明する。しかし、名称を変えるだけで待遇が変わるわけでも、権限が増えるわけでもない。現実の任務の重さや負担が変わらない以上、士気の向上に直結するとは言い難い。
名称の変更が象徴的な意味しか持たないのであれば、根本的な問題解決からは程遠い。
自衛官は国家公務員の枠に収まりきらない立場にある
自衛隊の制度上の位置づけを改めて考えてみると、さらに矛盾が見えてくる。自衛官は国家公務員として採用されるが、その職務は一般の公務員とは大きく異なる。服務の宣誓では、身の危険を顧みず任務を遂行することを求められ、いざとなれば命を懸けることが前提となる。
公務員でありながら軍人と同等の覚悟を求められる職種であり、責任の重さは他の公務員とは比較にならない。それにもかかわらず、制度上は国家公務員の一部として扱われている。
国家公務員の採用抑制や削減が議論されれば、自衛官もその対象に含まれる。だが、自衛官不足は深刻化しており、人員の確保は防衛政策の根幹に関わる問題だ。この現実を考えれば、自衛官を国家公務員と同列に扱う制度自体に無理があるのではないか。
自衛官の独立した身分制度を検討すべきではないか
であるならば、自衛官を国家公務員から切り離し、独自の身分制度を設ける検討があってもいいはずだ。採用体系も処遇制度も、国家公務員とは別に設計し、自衛官という職種の特殊性を前提にした制度づくりが求められる。
階級名の変更に政治的なエネルギーを使うのであれば、むしろこうした制度の根本からの見直しにこそ着手すべきではないか。
防衛族はこの根本的課題と向き合ってきたのか
かつて防衛族と呼ばれた議員たちは、制度の根本に関わる問題にどこまで向き合ってきただろうか。予算や装備の拡充ばかりが注目され、人員制度の本質的な改善は長らく先送りされてきた印象がある。
自衛隊の任務が増え、国際協力や災害対応の負担が重くなる中で、処遇改善や身分制度の再構築は喫緊の課題であるはずだ。
文民統制を守りながら制度改革を行うことは可能である
当然ながら、文民統制は絶対に守られなければならない。自衛官の身分制度を見直すことは、文民統制を弱めることを意味しない。むしろ、任務の特殊性に合致した制度を構築することで、より安定した組織運営が可能になる。
指揮権は文民にあり続ける。その前提を保ちながら、自衛官の処遇を現実に合わせて改善することは十分可能だ。
結論
階級名を諸外国に合わせるだけでは、自衛隊が抱える根本的な課題は解決しない。建前と実態の矛盾を整理し、自衛官という職務の重さと特殊性に正面から向き合い、制度体系をどう再構築するかを議論することが求められている。
最後に、これはあくまで私的な意見であり、制度の建前や政治的な制約を踏まえれば無茶な部分があることも承知している。それでも、自衛官の処遇改善については、本気で取り組んでもらいたいと強く感じている。名称の調整に終始するのではなく、現場の負担に直結する部分にこそ政治の力を注いでほしい。
関連リンク防衛省・自衛隊産経記事<独自>政府、自衛隊の階級名変更検討 諸外国の軍隊に準拠、1佐→大佐/1尉→大尉サイト内自衛隊関連記事
秋田県知事・鈴木けんたが示した新しい防災モデル 第9師団副師団長派遣に見る自衛隊と自治体の連携
秋田県知事・鈴木けんたが動かした防衛ライン 異例の副師団長派遣に見る地方防災の新段階
2025年秋、秋田県ではクマによる被害が相次ぎ、ついに県が自衛隊に支援を要請する事態となった。全国ニュースでは熊害の深刻化が報じられたが、その裏で注目すべきもう一つの動きがあった。秋田県への連絡員として派遣されたのが、第9師団の副師団長だったのである。都道府県レベルの災害対応で将官が直接動くのは極めて異例だ。その背景には、秋田県知事・鈴木けんたの経歴と自衛隊への深い理解があった。
元幹部自衛官の知事がもたらす信頼の構造
鈴木けんた知事は昭和50年生まれ。京都大学法学部を卒業後、陸上自衛隊に入隊し、幹部候補生学校で訓練を受け、東ティモールPKOやイラク人道復興支援活動にも参加した。退職後、妻の地元である秋田に移住し、司法書士として地域に根ざした活動を経て県議、そして知事に就任した。この元幹部自衛官という経歴こそが、今回の異例の動きを可能にした鍵だった。
自衛隊は厳密な指揮系統と法制度のもとに動く組織だ。そのため、地方自治体からの支援要請があっても、現場がすぐに動けるとは限らない。しかし、知事が自衛隊の文化や意思決定の手順を理解していれば、調整の速度は格段に上がる。危険の度合いや被害状況を自衛官の文法で説明できる。法的責任の範囲を相手の立場で整理できる。こうした共通言語が成立していることが、現場を動かす最大の要素となる。
今回、第9師団副師団長が連絡員として現地に派遣されたのは、まさにこの信頼構造の延長線上にあった。
規模ではなく責任の問題――ある自衛隊関係者の分析
ある自衛隊関係者のSNS投稿によると、今回の派遣は規模の問題ではなく責任の問題だという。つまり、将官クラスの派遣は単に現場の規模が大きいからではなく、行政と自衛隊の間で誰が判断の責任を持つかという構造上の問題を示している。
第9師団副師団長は地方公共団体との調整を日常的に担任する立場であり、防災・災害派遣の実務経験を最も多く持つ階級層にあたる。現代の災害派遣は、単なる救助活動にとどまらない。災害救助と公共の安全確保の線引き、自治体と自衛隊の指揮関係、報道や市民説明への対応まで、政治的判断が不可欠になる。そのため、地方公共団体対応の経験を持つ副師団長が現地調整に入ることは、組織間の意思決定を一本化する意味を持つ。これは制度上の迅速化ではなく、責任の所在を明確にする動きでもある。
なお、地域防災マネージャーの資格要件にも「自衛隊において地方公共団体対応に従事した者」という項目がある。今回派遣された連絡員の職責は、まさにその要件に該当する。つまり、制度の理念を現実の現場で体現した事例と言える。
制度を動かすのは人 共通言語を話せる地域防災マネージャーの重要性
今回の秋田県の対応は、制度の枠を超えた人の力が働いた例だった。知事個人が自衛隊の仕組みを理解していたからこそ、危機対応が速く実現した。しかし、すべての自治体に同じような首長がいるわけではない。だからこそ、各自治体が共通言語を話せる人材を内部に備えることが重要になる。
それが地域防災マネージャー制度である。この制度は、自衛隊OBや危機管理の専門人材を自治体に配置し、災害時や有事に自衛隊との連絡・調整を担う仕組みだ。形式的には整備されていても、実際に機能している自治体はまだ少ない。だが秋田県のケースは、その制度の本質的な価値を裏付けたと言える。首長が自衛隊の言葉を理解していたから早かったのなら、今後はその役割を担う人材を組織として持つべきだ。組織の間を翻訳できる存在、つまり制度と現場をつなぐ通訳が求められている。
地域防災マネージャーは単なる危機管理担当にとどまらない。行政と自衛隊が同じ文脈で話し合えるようにする、共通言語の媒介者でもある。この存在を日常的に育て、訓練し、組織に定着させることが、真の意味での地域防災力の向上につながる。
結論:自衛隊と自治体の協働は、共通言語を共有する人材から始まる
秋田県の今回の対応は、単なる熊害対策ではなく、自治体と自衛隊がどう協働できるかを示した一つの転機だった。知事が自衛隊の文法を理解していたからこそ、迅速な連携が実現した。しかし、それを一時的な偶然の成功で終わらせてはならない。これからの自治体に求められるのは、組織として共通言語を話せる人材を持つことだ。
災害は制度ではなく人が対応する。そしてその人が、相手の言葉で話せるかどうかで結果は変わる。自衛隊と自治体の協働を支えるのは、信頼と理解、そして翻訳の力である。地域防災マネージャーの採用と育成は、そのための最も現実的な一歩だ。
秋田が示したこの連携は、今後の地方防災の新しいモデルになるだろう。制度の整備よりも先に、人の理解を。それが次の災害に備えるための最大の教訓である。
関連リンク地域防災マネージャー制度(防衛省)秋田県自衛隊関連記事
陸上自衛隊東部方面音楽隊×亜細亜大学吹奏楽団「夢の饗宴」開催
5月14日、陸上自衛隊東部方面音楽隊と亜細亜大学吹奏楽団による演奏会「夢の饗宴」が開催された。
私もご案内をいただき、友人たちとその演奏を楽しませていただいた。客席には顔馴染みの方々もおられ、地元の方々も一緒に演奏を楽しんでいる姿を見ることもできた。
コロナ禍で地域のイベントが減ってしまったところに、こうしたビッグイベントが行われたことも非常にタイミングが良かったのではないだろうか。
演奏曲目は次の通り
第一部
コンサート・マーチ「テイク・オフ」/建部知弘
勇者達の夢/真島俊夫
ふるさとの歌/天野正道
歌劇《ラ・ジョコンダ》より「時の踊り」/A.ポンキエッリ
第二部
行進曲「煌めきの朝」/牧野圭吾
ポロネーズとアリア~吹奏楽のために~/宮下秀樹
マードックからの最後の手紙/樽屋雅徳
ディズニー・アット・ザ・ムービー/編曲 ジョンヒギンズ
カーペンターズ・フォーエバー/編曲 真島俊夫
そしてアンコールに「アフリカンシンフォニー」が演奏された。指揮は陸上自衛隊東部方面音楽隊隊長2等陸佐の酒井伊知郎氏と亜細亜大学吹奏楽団常任指揮者の大澤健一氏がそれぞれ交互に指揮。指揮者のお二人がノリノリの楽しそうな交流を演奏中に行いながらの指揮、その明るい雰囲気が観客席まで伝わってきた。
今回はスポットイベントとしての開催であったが、私としては武蔵境で毎年行われる恒例イベントになってほしいと思えるような内容だった。
武蔵野市では特色ある教育活動として小中学校の吹奏楽クラブにも力を入れている。吹奏楽クラブの子どもたちが奏者としての将来を思い描ける機会として、何らか関わりを持てたらとも個人的にが感じたが、これはまた別の話として、とにかく今後も継続して大きなイベントに育っていくことを期待したい。
自衛官が自民党大会で国歌斉唱 何が問題か「私人」論の無理を整理
違法かどうかで議論を終わらせるな
自衛官、いわゆる歌姫として知られる人物が、自民党の党大会で国歌を斉唱した件が、じわじわと議論を呼んでいる。
政府の説明は明快だ。私人としての活動であり、国歌斉唱そのものに政治性はない。したがって法的にも問題はない、という整理である。実際のところ、自衛隊法や関連規定に照らしても、これを明確な違反だと断定するのは難しいのだろう。
ここまでは理解できる。ただ、それで話を終わらせてしまっていいのかと言われると、やはり少し引っかかるものがある。
今回の件は、違法かどうかという一点だけで評価するには、少し収まりが悪い。むしろ、その枠に押し込めてしまうことで、見えなくなっている部分があるように感じる。
問われているのは距離感ではないか
この問題で本当に問われているのは、法律論の細かい当否というよりも、自衛隊という組織が政治とどのような距離を取るべきかという点ではないか。
形式的に問題がないと結論づける前に、その行為がどう見えるのか、どのように受け止められるのかという視点が抜け落ちているように思える。
こうした問題は、制度上の整理だけでは割り切れないところがある。むしろ見え方や印象のほうが、後々まで影響することも多い。
少し大げさに聞こえるかもしれないが、ここを軽く扱うと、あとで効いてくる類の話だと思う。
私は自衛官募集相談員を務めている。自衛隊に対して、それだけの信頼を置いているからだ。だからこそ、この距離の問題にはどうしても敏感になる。
自衛隊は普通の公務員ではない
自衛隊は一般の公務員組織とは性質が異なる。この点は、やはり押さえておく必要がある。
制度上は公務員でも、実態としては国家の実力組織だ。最終的には武器を用いて国民の生命や領土を守る役割を担っている。その性質を考えれば、政治的中立性に対する要求が厳しくなるのは当然だろう。
しかも重要なのは、中立であることだけでは足りないという点だ。中立に見えることまで含めて、初めて信頼が成り立つ。
ここは形式論では済まない。疑念を持たれた時点で、信頼は少しずつ削られていくからだ。
仮に今回の件が法的に許容される範囲内だったとしても、政治との距離が近いと受け取られる行為が積み重なれば、その影響は無視できなくなる。
だからこそ、曖昧な事例ほど慎重に扱うべきなのだと思う。
問題は歌ったことではない
少し論点を整理しておきたい。
今回の問題は、国歌を歌ったことそのものではない。
国歌斉唱は、さまざまな公的行事や式典で広く行われている。仮に同じ人物が地域の式典や、政治色の薄い場で歌っていたのであれば、ここまで議論が広がることはなかったはずだ。
やはり気になるのは、その場が自民党の党大会だったという点である。
党大会は、明確に政治的な空間だ。支持者を動員し、党の方針や姿勢を発信する場でもある。そこで自衛官が舞台に立つとなれば、見え方はどうしても変わってくる。
形式的には個人の活動だとしても、自衛隊の人間が特定政党の場にいたという事実は残る。その印象を無視することはできない。
私人という整理は通用するのか
政府は私人としての行為だと説明しているが、この点についてはやや無理があるようにも感じる。
その人物は、自衛官であることによって社会的に認知されている。歌姫という評価も、その職業的背景と無関係ではない。
完全に職務と切り離された一個人として扱うのは、現実には難しいのではないか。
さらに言えば、音楽隊の正装で舞台に立っていたのであれば、外形的にも私人とは見えにくい。勤務外であり、命令によるものではないという説明が成り立つとしても、受け取る側の印象は別の問題だ。
人はそこまできれいに役割を切り替えられない。特に公共性の高い職務に就いている場合、その影響はどうしても残る。
私人という言葉で整理したとしても、見え方まではコントロールできないということだ。
ツケはどこに回るのか
ここで気になるのは、このような整理を積み重ねていった場合、その影響を誰が受けるのかという点だ。
おそらく自衛隊だろう。
今回のようなケースを問題なしとして積み上げていくと、どこまでが許容されるのかという線引きは徐々に曖昧になっていく。
そして気づいたときには、より明確に政治的な場面への関与も正当化されかねない。
そのときに疑念を向けられるのは、政治家ではなく組織の側だ。中立性は保たれているのか、政治に近すぎるのではないかといった視線が向けられるのは現場になる。
この構図は、やはり無理があるように見える。
矢面に立つのは現場だ
現場の自衛官は、政治的な判断を行う立場にはない。
それにもかかわらず、こうした事例が積み重なれば、結果的に政治的な文脈の中に引き込まれていくことになる。
疑念を持たれ、批判を受ける。場合によっては個人が過度に注目されることもあり得る。
本来であれば、こうした状況は政治の側が避けるべきものではないか。
自衛隊の信頼は、災害対応や日々の任務の積み重ねによって築かれてきたものだ。その基盤を揺るがすようなリスクを、軽く扱うべきではないと思う。
本来の判断基準は何か
本来であれば、こうしたケースは違法かどうかではなく、誤解を招く可能性があるかどうかという観点で判断されるべきだったのではないか。
少なくとも今回の件は、その意味で慎重な検討が必要な事例だったように見える。
それでもなお、法的に問題はないという一点で押し通すのであれば、やや説明としては不十分に感じる。
結論:自衛隊にツケを回すな
違法かどうかではない。問題は、自衛隊と政治の距離だ。
その距離が曖昧になったとき、最終的に負担を引き受けるのはどこなのか。
おそらく現場である。
だからこそ、形式的な正当化だけで済ませるべきではない。短期的には問題がなく見えても、長期的には信頼を削る方向に働く可能性がある。
そのツケを、自衛隊に回してはいけない。
関連リンク防衛省・自衛隊自衛隊に関する記事
令和8年度予算編成方針について
令和8年度の施政方針が発表され、各会派による代表質問が行われた。立憲民主ネットを代表して、今回の質問は私が担当した。会派の意見を集約しながら、私自身の問題意識も織り交ぜて臨んだ。
市長に直接、その考えと責任を問うことができる貴重な機会である。だからこそ、原稿として練り上げ、論点を整理した上で臨んだ。
再質問は4回まで認められている。しかし、再質問に依存すれば議論は細部に流れやすい。今回は本質的な論点を正面から提示することを優先した。
細部の検証は、続く予算特別委員会で徹底的に質疑したい。
以下、代表質問原稿
立憲民主ネットの藪原太郎です。会派を代表して市長の施政方針に対する代表質問を行います。いま国全体では、株価の上昇が景気の良さとして語られる場面もあります。しかし、市民生活の実感としては、上がるのは物価ばかりで、実質賃金は伸び悩み、生活の余裕はむしろ薄れているという声が少なくありません。とりわけ就職氷河期世代は、長期にわたる不安定な雇用や所得の停滞を背負い、その延長線上で、社会から孤立し、ひきこもり状態に至るケースも指摘されております。さらに若年層に目を向ければ、多額の奨学金返済を抱えながら社会に出る現実があります。本来は学びを支える制度であるはずの奨学金が、人生の出発点で重い負担となっている実情は看過できません。現役世代は、子育て、住宅ローン、教育費、そして親世代の介護と、幾重もの責任を同時に背負っています。社会を支える中心世代でありながら、その負担の重さに対する支えが十分とは言えない状況が続いております。「未来に希望が持てない」という感覚が広がることは、地域社会の持続性そのものに関わる問題であります。私たちはいま、多様性が求められる社会に生きています。多様な生き方があってよい。そのこと自体は疑いのない前提であります。しかし、多様性の真価が問われるのは、自分には理解しきれない立場や価値観に接したときではないでしょうか。そのときに排除ではなく、受け止め、支える仕組みを持てるかどうか。そこに自治体の力量が表れると考えます。すべてを単純な是非で割り切るのではなく、ときには過度に介入せず、否定しないという姿勢もまた、存在を認めるということにつながります。多様性とは、理解できるものだけを受け入れることではなく、理解しきれないものとどう共存するかという問いであります。だからこそ基礎自治体には、理念を掲げるだけでなく、支援が必要な方に確実に届く制度設計と、現場で機能する体制、そして成果の検証が求められます。市長が掲げられた方針が、具体の施策として形になり、市民の暮らしの変化につながっているのか。順に確認してまいります。
Q1、任期折り返しを迎えた今、市長の主要公約の進捗についてお示しください。完了したもの、進行中のもの、見直し中または実現困難となっているものを区分して、分かりやすくご説明ください。あわせて、「武蔵野市の立て直し」は現在どの段階にあると認識されているのか。可能であれば、進捗割合などの形でお示しいただきたいと思います。
続いて、施政方針の序文において掲げられた「不易流行」について伺います。 市長は、「変えてはならないもの」と「変えるべきもの」を見極めることが重要であるとの認識を示されました。市政運営における判断の軸として、この考え方を前面に打ち出されたものと受け止めております。Q2、市長にとって「不易」とは何か。「流行」として何を変えていくのか。具体的な政策分野を挙げてお示しください。あわせて、その整理はどのような判断基準に基づいて行っているのか、ご見解を伺います。
続いて、施政方針における基本姿勢、とりわけ市民参加の拡充について伺います。市長は、職員が地域に出て市民の声を聴くことの重要性を繰り返し述べられ、また、「市民と市長の語ろう会」やデジタルプラットフォームcommonを活用した「市民目安箱」の本格実施など、市民との対話を重視する姿勢を示されています。市民の声を直接聴くことは極めて重要でありますが、そこで寄せられた意見や提案が、どのような基準で整理され、どのようなプロセスを経て政策判断に結び付いているのか。その見える化も同時に求められるのではないでしょうか。
Q3、市民から寄せられた意見やアイデアが、庁内でどのように整理・検討され、政策や予算に反映されているのか。そのプロセスを具体的にお示しください。あわせて、令和8年度から試行導入される行政評価制度は、その流れとどのように連動し、施策や長期計画の見直しにどう活かされるのか。評価結果の公表方法を含め、最終的に何を実現する制度なのか伺います。
あわせて、社会情勢の変化が激しい時代となっていることを踏まえ、長期計画については改めて議決事項などの議論が必要であるとの認識も示されました。長期計画は、市政運営の基本的な指針であり、市民や議会との合意のもとで進められてきたものであります。迅速な対応の必要性は理解するところでありますが、その一方で、計画の安定性や議会の関与とのバランスも重要であると考えます。
Q4、長期計画の議決事項の在り方について、どのような課題認識をお持ちか。見直しを行う場合、議会の関与やチェック機能をどう担保するのか。あわせて、第七期長期計画では、従来との違いとして何を見直し、変化に柔軟に対応する仕組みをどう設けるのか、市長の基本的な考え方を伺います。
続いて、物価高騰対策について伺います。物価高騰が長期化する中、本市の支援策の実効性と今後の方針について確認いたします。
Q5、国の施策を活用した今回の高物価対策について、市民生活にどの程度の即効的効果を見込んでいるのか。家計支援の効果と、低所得世帯や多子世帯への重点支援の位置付けをお示しください。あわせて、物価高騰が継続した場合、本市としてどのような役割を果たすのか。独自の対応と今後の方向性を伺います。
続いて、市民の命と健康を守る地域医療の確保について伺います。物価高騰や人件費の上昇などにより、全国的に病院経営は厳しい状況にあります。本市においても、市内病院が厳しい経営環境に置かれているとの認識が示され、市として支援を継続する方針が示されました。医療は市民の安心を支える基盤であり、とりわけ急性期医療や災害時医療の確保は、基礎自治体にとって重要な責務であると考えます。Q6、市内病院への支援について、その政策目的と期待する効果をどのように整理されているのか。また、支援はどの段階まで継続することを想定しているのか。経営支援と医療機関の自立的運営とのバランスについて、市の基本的な考え方をお示しください。
次に、吉祥寺地域の医療体制について伺います。吉祥寺南病院の事業継承がなされましたが、現在確保されている病床数は125床にとどまっています。将来にわたり持続可能な医療体制を構築するためには、本市として必要な病床規模を明確にし、東京都との協議を着実に進めることが重要であると考えます。市長は、東京都知事選において小池都知事への出馬要請に名を連ねたことが報じられております。また、都知事とともに写った写真をSNS等で公開されるなど、近い関係性を自ら発信されてきました。そのような政治的判断と関係性を示されてきたのであれば、その成果は市民の利益、とりわけ命に直結する医療体制の確保という形で示されるべきであると考えます。Q7、本市として、吉祥寺地域において必要と考える病床数をどのように見込んでいるのか。あわせて、東京都との協議状況と、実現に向けた具体的な働きかけについて、市長の見解を伺います。
あわせて、近年深刻化している熱中症対策について伺います。庁内連携体制の強化やクーリングシェルターの設置、生活困窮世帯へのエアコン購入費助成などが示されていますが、これらの施策がどの程度市民の命を守る効果を上げているのか、検証も重要であります。Q8、熱中症対策庁内連携会議の設置以降、具体的にどのような成果が上がっているのか。また、特に高齢者や子どもなどリスクの高い層への対策をどのように評価しているのか、お伺いいたします。
続いて、住まいの確保と、地域で暮らし続けられる社会の実現について伺います。施政方針では、住宅確保要配慮者への伴走型支援やICTを活用した見守り体制の整備が示され、「住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる」社会を目指すとされています。理念としては重要であり、共生社会の実現に向けた方向性には賛同するところであります。しかしながら、家賃の高騰、単身高齢者や障がいのある方の入居制限、保証人の問題、福祉人材の不足など、現実は決して容易ではありません。理念を掲げることと、それを実際に実装することの間には、大きな隔たりがあるのではないかという懸念もあります。Q9、本市が掲げる「住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる」という理念は、現実の住宅市場や支援体制の制約を踏まえたうえで、どこまで実効性を持つ政策として構築されているのか。住まい探しから居住後の見守りまでを一体的に行う体制の規模感、民間住宅市場との連携の在り方、孤独・孤立や複合課題を抱える世帯へのアウトリーチの位置付け、ICT見守りの効果検証を含め、具体的な実装と責任の範囲をお伺いします。あわせて、これは単なる努力目標にとどまるものなのか、それとも財源と人員を伴った覚悟ある政策として実現を目指すものなのか。市長の率直な認識を伺います。
続いて、「親子に寄り添い、子どもの声を形に」との方針について伺います。妊娠期から子育て期における外出支援として、タクシー電子チケットを1世帯当たり2万円分配付するとのことです。移動の負担軽減という趣旨は理解するところであります。タクシーの活用については、我が会派からも具体的に提案してきた経緯があり、今回制度として実現に至ったことは評価するところであります。一方で、市長は選挙公約においてレモンキャブの活用を掲げておられましたが、結果としては法的整理が難しく実現には至らなかったと承知しております。しかしながら、当該制度に法的な制約が存在することは事前に確認可能であったはずであり、公約として掲げる段階でどの程度実現可能性の検証が行われていたのかについては、疑問も残ります。Q10、タクシー電子チケット事業について、想定利用率や政策効果をどのように見込んでいるのか。また、配車アプリを利用できない世帯やデジタル環境に課題を抱える世帯への配慮をどのように整理しているのか、お示しください。あわせて、レモンキャブ活用が実現に至らなかった経緯について、実現可能性の検証はどの段階でどのように行われたのか。公約との整合性について、市長の見解を伺います。
続いて、「子どもの権利の日イベント」の見直しについて伺います。中高生が主体的に関わる場を設けることは重要であり、子どもの声を尊重する姿勢そのものは評価するところであります。しかし、単なるイベントにとどまるのであれば、実効性のある政策形成には結びつきません。重要なのは、子どもの意見がどのように制度や施策へ反映されるのかという点であります。市長は議員時代、子どもの権利条例に対して反対の立場を取られていたと承知しております。そのような経緯を踏まえ、市長として条例をどのように受け止め、どのような姿勢で運用していくのかは、改めて確認すべき重要な点であると考えます。Q11、中高生の意見をどのような仕組みで市政に反映させるのか。イベントで出された意見の取り扱いと、その後のフォローアップ体制について具体的にお伺いします。あわせて、市長は現在、子どもの権利条例をどのように位置付けているのか。条例に反対していた立場から、市長としてどのような認識で条例と向き合っているのか、率直なお考えをお聞かせください。
続いて、「すべての子どもに学びの保障を」との方針について伺います。
施政方針では、学校改築事業においてラーニングコモンズをはじめとする多様な学びの空間を整備し、主体的・対話的で深い学びを支えるとされています。また、不登校支援としてチャレンジクラスを新設し、教員の働き方改革やICT活用も進めるとされています。さらに、「開かれた学校づくり協議会」により地域との連携を強化するとのことであります。
いずれも重要な取組でありますが、空間整備や制度創設そのものが目的化することなく、それらが実際に子どもたちの学びの質の向上につながっているのか、その検証が何より重要であると考えます。
Q12、学校改築事業におけるラーニングコモンズ整備が、子どもたちの学力や主体性の向上にどのような具体的成果をもたらしているのか。評価指標と検証方法をお示しください。あわせて、第二期学校施設整備基本計画において、「子どもの学びを第一に」とする方針がどのように具体化されるのか、市の基本的な考え方を伺います。
続いて、不登校支援と学びの受け皿について伺います。本市ではこれまで、不登校児童生徒の居場所として「チャレンジルーム」や「むさしのクレスコーレ」を設置し、学習支援や社会的自立に向けた取組を進めてこられました。そうした既存の支援体制がある中で、令和8年4月から第五中学校に「チャレンジクラス」を設置するとのことであります。学校の中で学びの機会を確保する新たな枠組みを設けること自体は前向きな取組と受け止めますが、不登校児童生徒数が増加傾向にある現状を踏まえると、その規模や位置付け、既存施策との整理が重要になると考えます。Q13、チャレンジクラスの定員規模と受入体制はどの程度を想定しているのか。また、今後の拡充や他校への展開についてどのように考えているのかお示しください。あわせて、チャレンジルームやむさしのクレスコーレとの役割分担をどのように整理しているのか。不登校支援の全体像として、どのような体系を構築しようとしているのか、市の考え方を伺います。さらに、こうした取組が持続的に機能するためには、教員の負担軽減や人的体制の確保も不可欠であります。あわせて、教員の時間外勤務の現状をどのように認識しているのか。働き方改革と不登校支援の充実をどのように両立させていくのか、具体的な方策についてもお示しください。
続いて、「命を守る防災、3年目の挑戦」について伺います。3年目の挑戦として感震ブレーカーの全世帯配布が示されました。これまで家具転倒防止金具の補助、携帯トイレの全世帯配布と、防災施策を段階的に積み上げてこられました。そこで伺います。Q14、これまでの一連の取組によって、14万市民の安心・安全はどのように向上したと認識しているのか。人的被害や火災被害、避難生活の質の向上などについて、具体的な効果見通しや評価があればお示しください。あわせて、今回の感震ブレーカーの配布により、防災力はさらにどの程度向上すると見込んでいるのか。出火防止効果や被害軽減の具体的な想定について、市の認識を伺います。
続いて、防災訓練の在り方について伺います。令和7年度には、自衛隊OBが所属する企業の協力のもと、従来の台本型訓練ではなく、参加者が自ら考え行動する実践型訓練を実施されたとのことであります。実効性を重視した取組として評価するところであります。令和8年度も引き続き実効性を高める訓練を実施するとされていますが、重要なのは、こうした知見が単年度の取組にとどまらず、本市の組織能力として着実に蓄積されていくことであります。市長ご自身はこれまで、自衛隊OBの活用について前向きな考えを示されてきたと承知しております。そうであるならば、外部の協力を得るだけでなく、専門的知見を市の中に定着させる体制づくりも視野に入れるべきではないでしょうか。Q15、今回の実践型訓練で得られた課題や成果をどのように整理し、庁内体制の強化に反映させていくのか。また、防災分野における専門人材の確保や活用について、今後どのような方向性を持って取り組むのか、市の考えを伺います。
続いて、避難所環境の改善について伺います。今回、スフィア基準に触れられたことは評価いたします。スフィア基準とは「人道憲章と人道対応に関する最低基準」であり、被災者が単に命をつなぐのではなく、「我慢」を強いられることなく、人間らしく安全・安心に生活できる環境を確保することを目的とする国際的な基準であります。本市において簡易ベッドや女性用品の備蓄を進めることは前進でありますが、今回は一部備蓄品への適用にとどまっているとの認識であります。Q16、本市として、将来的にスフィア基準を満たす避難所環境を目指す考えはあるのか。部分的な対応にとどめるのか、それとも避難所全体の環境改善を段階的に進めていくのか、市長のご見解を伺います。
次に、イーストエリアの「環境浄化特別強化期間」について伺います。本方針で用いられている「環境浄化」という表現は、その定義が曖昧なまま運用されれば、特定の属性を持つ人々や特定の職業に従事する方々を、一方的に排除する論理へと繋がりかねない危うさを孕んでいます。そもそも、公共空間とは本来、多様な人々が混ざり合う「雑多なもの」であり、行政にとって心地よいもの、都合のよいものだけを並べる場ではありません。 安全・安心の確保は重要ですが、それはあくまで「法に触れる具体的な行為」を対象とすべきであり、人そのものを選別し、排除する権利は公権力にはないはずです。Q17、本市が定義する「環境浄化」とは、具体的に何を指すのか。是正の対象はあくまで「行為」であって「人」や「職業」ではないという原則を確認したいと思いますが、市長の見解をお示しください。あわせて、吉祥寺が育んできた多様性と包摂性を、この施策によって損なう懸念はないか、市の認識を伺います。
続いて、「芸術文化・スポーツで、心豊かに生きる」施策について伺います。本施策では、アニメ、マンガ、音楽などのクリエイティブなジャンルを活かしたシティプロモーションや産業支援に触れられております。デザインマンホールも吉祥寺地区、中央地区、境地区の3エリアに展開され、本市の特色を活かした魅力発信が着実に進められていることは評価いたします。この分野は、私自身もこれまで力を入れて取り組んできたテーマであり、武蔵野市の都市ブランド形成にとって重要な柱であると認識しております。一方で、デザインマンホールや回遊事業が単なる話題づくりや観光施策にとどまるのではなく、市内産業や創作活動の活性化、さらには地域経済の循環につながっていく仕組みが不可欠であります。回遊によって人が動き、その人の消費が商店街に落ち、クリエイターに仕事が生まれ、市内事業者が成長していく。そうした「経済にコミットする仕組み」として設計も求められていると考えます。そこで伺います。Q18、デザインマンホールや回遊事業を含むクリエイティブ施策を、地域経済活性化とどのように結び付けていくのか。商店会や市内事業者との連携の具体策、経済効果の把握方法、そして創作活動支援への波及について、市の考え方をお示しください。
続いて、「未来へつなぐ、駅周辺のまちづくり」について伺います。まず、吉祥寺パークエリアでの社会実験「吉祥寺ストリートピクニック2025」については評価いたします。歩行者天国の取組は、都市の価値を高め、人の滞留を生み、まちの魅力を引き出すものであり、今後は単発にとどまらず、より継続的・拡張的な展開も検討していただきたいと考えます。一方で、「附置義務駐車場地域ルール」の導入検討について伺います。市長は市議時代、附置義務駐車場の緩和・拡大については慎重な立場を取られていたと記憶しております。我が会派としては、老朽化したビルの更新促進や都市機能の高度化の観点から、一定の見直しについては肯定的な立場であります。老朽建物更新との関係で制度見直しを進めること自体は理解いたしますが、これまでのご認識との整理をどのように行っているのかを確認させていただきます。Q19、附置義務駐車場地域ルール導入の目的と具体的な効果をどのように見込んでいるのか。また、交通環境や商業環境への影響をどのように評価し、制度設計に反映していくのか、市長の見解を伺います。
次に、ムーバスをはじめとする地域公共交通について伺います。ムーバスは、そもそも高齢者の外出支援を目的として生み出された交通施策であります。30周年を迎えた現在、本市は高齢化社会から超高齢化社会へと移行しております。運転手不足という現実的課題はありますが、だからこそ原点に立ち返った抜本的な再構築が求められていると考えます。現在は駅を中心とした巡回路線が基本となっておりますが、今後の見直しにあたっては、市内を大きく巡回し、公共施設や医療機関を結ぶ路線など、多様な移動ニーズに応える再編も検討に値するのではないでしょうか。Q20、ムーバス再構築にあたり、原点である高齢者外出支援という理念をどのように再定義するのか。また、駅中心型にとどまらない路線再編の可能性について、市の基本的な考え方を伺います。
次に、水道事業について伺います。Q21、都営水道一元化について、都知事からの「スピード感をもって進めましょう」との発言がありました。市長はこの発言をどのような趣旨として受け止めているのか。何を、どのように加速させるべきとの認識なのか。また、一元化に向けての都と市の役割分担はどのように整理されているのか。現時点で見えている工程、今後市として示すべきロードマップについて、市長の見解を伺います。
Q22、一方で、老朽化が進む水道管対策は、一元化の有無にかかわらず進めるべき喫緊の課題であります。今回、4,055万円をかけて策定する「鋳鉄管(配水本管)更新計画」について伺います。本計画は、水道管のどの区間を対象とし、どの程度の規模で、何年を見込んで更新を進めるものなのか。策定費が大きい理由、採用する工事手法、断水を最小限に抑えるための方策、体制面での課題など、この場でお示しいただける範囲で構いませんのでご説明ください。あわせて、水の安全性についても伺います。施政方針にはPFASに関する記述が見当たりませんでしたが、水道水の安全確保は14万市民の命と健康に直結する課題であります。現在の水道水および水源井戸の状況をどのように認識しているのか。今後の対応方針、そして都営水道一元化との関係をどのように整理しているのか、市長の見解を伺います。
続いて、「デジタルの力で便利な市役所へ」について伺います。公共施設予約システムの一元化や、転入・出生手続きのBPR、マイナンバー関連手続きの自動化、AIによる問い合わせ対応など、デジタル技術を活用した利便性向上の取組は評価するところであります。一方で、デジタル化は単なるシステム導入ではなく、「業務のあり方そのものの見直し」であるべきであり、その効果が市民サービス向上に確実につながることが重要であります。Q23、窓口業務改革(BPR)によって、どの程度の業務削減・時間創出を見込んでいるのか。また、効率化によって生まれた人的資源を、どの分野へ重点的に再配分するのか。単なる事務効率化にとどまらず、市民支援の質向上にどう結び付けるのか、市の具体的な考えを伺います。あわせて、デジタル化が進む中で、高齢者やデジタル機器に不慣れな市民への配慮をどのように担保していくのか。「行かない」「書かない」「待たない」窓口を目指す一方で、「取り残さない」仕組みをどのように設計しているのか、お示しください。さらに、AI活用やデータ連携を進めるにあたり、個人情報保護やセキュリティ対策をどのように強化していくのか、市の基本的な認識を伺います。
以上、本施政方針において示された諸施策について伺ってまいりました。しかし、その方針は具体の施策として形になり、市民の暮らしの変化として現れてこそ意味を持ちます。本日伺った各施策が、単なる方針にとどまらず、確かな成果として積み重なっていくことを強く求めます。小美濃市政の3年目でありますから、あえて大きく舵を切ること自体が目的になるとは考えておりません。その意味で、本施政方針は良く言えば全体として安定感のある内容であったと受け止めております。しかし、課題が加速度的に深まる時代において、安定は常に十分条件とはなりません。
安定は停滞と紙一重であります。だからこそ、市長ご自身が掲げた「不易流行」の覚悟が、いま問われていると申し上げ、私の代表質問を終わります。
松下玲子を応援する理由とは|都条例・コロナ対応・地域支援で示した判断と実績
第51回衆議院選挙が始まった。私の選挙区である東京18区では、松下玲子が中道改革連合公認候補として立候補している。
私が松下玲子を応援する理由は、政策の好みや陣営論理ではない。政治の現場で、どこで立ち止まり、何を守り、どんな判断を引き受けてきたのか。その積み重ねを見た上での判断だ。
まず触れるべきは、2010年の東京都青少年健全育成条例改正案、いわゆる都条例をめぐる議論である。当時の東京都は、青少年の健全育成を名目に、表現規制を強化する方向へと大きく舵を切ろうとしていた。問題となったのは「非実在青少年」という概念だ。18歳未満に見える架空のキャラクターを対象に、性的表現を規制する。この考え方は、マンガ、アニメ、ゲームといった表現全体に広く影響を及ぼす可能性を持っていた。
この条例案は、2010年6月、都議会で否決された。石原都政下において、条例案が本会議で否決されるのは初めての出来事だった。
そこには複数の議員による慎重な議論があったが、その中で松下玲子は、条例の問題点を具体的に掘り下げ、安易な賛成に流れない空気をつくる役割を果たした。都庁側の説明をそのまま受け入れるのではなく、「非実在青少年」という曖昧な概念がどこまで拡大解釈され得るのか、その言葉の射程を一つひとつ確認し、問い直した。
重要なのは、反対のための反対ではなかった点だ。「青少年を守る」という目的自体を否定せず、その手段として表現規制が本当に妥当なのかを問い続けた。必要なのは規制ではなく、家庭で親が子どもと向き合い、対話し、教育することではないか。その原点を、議会の場で明確に示した。
結果として、条例案は否決された。石原都政初の否決という事実は、都議会が一度立ち止まったことを意味する。その立ち止まりの中に、松下玲子の議論と行動があった。
その後、条例は2010年12月に修正案として再提出され、「非実在青少年」という文言は削除された。不健全図書指定という制度自体は残ったものの、規制が一気に拡大する流れには歯止めがかかった。完全な勝利ではないが、将来への影響を見据えた判断だった。
この姿勢は、市長時代の行政運営にも一貫している。
コロナ禍は、自治体行政の真価が問われる局面だった。正解がなく、情報は錯綜し、不安は社会全体に広がる。その中で、自治体のトップは判断を先送りすることも、責任を曖昧にすることもできた。しかし松下玲子は、現場の声を踏まえながら冷静に判断し、市民の命と暮らしを守るために必要な対策を一つひとつ積み重ねてきた。
コロナワクチンの予防接種では、武蔵野市の効率的な接種体制が全国的に注目され、自衛隊が視察に訪れた。その運用は、後に自衛隊の大規模接種会場にも活かされた。一自治体の現場での工夫が、国レベルの施策に反映された好例である。
生活支援でも、制度設計の巧さが際立っていた。松下玲子の発案で実施された「くらし地域応援券」は、単なる給付ではない。お金が地域の中で循環するよう、細部まで考え抜かれた制度だった。
応援券は、商店街などの小規模店舗でしか使えない券と、大規模店舗でも使える券がセットになって配布された。重要なのは、大規模店舗でも使える券であっても、小規模店舗で利用できる設計になっていた点だ。これにより、使う側の利便性を確保しながら、商店街や個人店に人とお金が流れやすい構造がつくられていた。
応援券は500円単位で発行され、使用するには同額以上の現金支出を伴う。例えば、1,300円の買い物をする場合、500円券を1枚使い、残りの800円は現金で支払う。つまり、応援券は家計の支出を置き換えるものではなく、地域での消費を上乗せする仕組みだった。
この設計によって、市が支出した分に必ず現金が加わり、そのお金が地域の店に落ちる。現金と併用でき、端数を気にする必要もない。POSやクレジットカードを前提としないため、特別な設備投資を求められることもなく、地域で一番条件の厳しい小さな店まで確実に参加できた。
家計を直接支えながら、地域経済を回す。くらし地域応援券は、どこで使われるべきかを明確に意識しつつ、使う側の自由度も確保した、完成度の高い制度だった。
子ども・子育て政策でも同様だ。耳ざわりの良いスローガンではなく、実際に使われ、生活を支える制度を形にしてきた。その象徴が、待機児童0の達成と、18歳までの医療費完全無料化である。家庭の事情にかかわらず、子どもが必要な医療をためらわずに受けられる環境を整え、子育て世帯の負担を確実に軽減してきた。理念ではなく、生活に直結する政策だった。
ここで、これから実施される生活支援策にも触れておきたい。現市政の下で予定されている物価高騰対策は、Visaギフトカードを用いた支援である。全国のVisa加盟店で利用でき、家計への直接的な支援として、もちろんありがたい施策だ。
一方で、クレジットカード決済が前提となり、複数枚の併用や現金との併用ができない仕組みとなっている。そのため、POSを導入していない、あるいはクレジットカード利用に制約のある商店街の小さな店では、実際の運用において使いにくい場面が生じる可能性もある。
この違いは、制度の思想の違いを映している。くらし地域応援券は、地域での循環を前提に設計されていた。どこで、誰が、どう使うのかを、生活の目線で考え抜いた制度だったと言える。
さらに重要なのは、市長としての判断が、司法の場でも検証に耐えたという事実だ。
松下玲子が市長在任時、武蔵野市が行った吉祥寺駅前の市有地売却と駐輪場整備をめぐり、土屋正忠元市長が、松下玲子個人に約10億円の賠償を求める住民訴訟を起こした。
この訴訟は、一審、二審、最高裁を通じて退けられた。土地取引は、新たな駐輪場設置による市の利益が大きく、市の算定価格での取引に「裁量権の逸脱や濫用はない」と判断された。市の判断は、全面的に正当と認められた。
武蔵野市は過去、土屋正忠市長時代の市長交際費をめぐる住民訴訟で敗訴したことがある。行政の裁量が「公益性がない」と否定された事例だ。
それだけに、今回の住民訴訟で、市の正当性が認められた意味は大きい。同じ人物を軸に、行政判断が否定された過去と、後任市長の判断が全面的に肯定された現在が並ぶ。この対比は偶然ではない。
行政判断は、後から必ず検証される。松下玲子の判断は、その検証に耐えきった。
危機の時に逃げない人。暮らしの現場を起点に、制度を組み立ててきた人。理念ではなく、判断と実績で語れる人。
そうした人にこそ、国政を担ってほしい。だから私は、松下玲子を応援する。
関連リンク松下玲子公式サイト中道改革連合藪原太郎公式サイト
令和7年第4回定例会一般質問のご案内
一般質問のご案内(令和7年第4回定例会)
令和7年12月3日の午後。今年最後の市議会定例会で一般質問に立ちます。
今回取り上げるのは、次の四つのテーマです。
1 多死社会と火葬インフラの確保2 学校施設のイベント利用の在り方と公平性3 地域防災マネージャー制度の検討状況4 特色ある教育活動と吹奏楽クラブへの支援
どれも市民生活に直結する重要なテーマであり、これまでの議会で積み重ねてきた議論と、市民の皆さまからいただいた声を踏まえて取り上げるものです。
⒈ 多死社会における火葬インフラの確保と市民葬儀制度について
民間大手の東京博善が、令和8年4月から火葬料金を大幅に値上げし、あわせて区民葬儀の取扱いを終了すると発表しました。これにより、従来は5万9600円で利用できた火葬料金が8万7000円となり、実質2万7000円の負担増になります。
値上げは武蔵野市を含む多摩地域全体へ広く影響し、葬祭関連費用がさらに上昇する可能性があります。
さらに、本市には現在75歳以上が約2万人おり、今後30〜50%増える見込みです。年間死亡者数も1200人から1500〜1700人規模へ増加すると推計され、火葬場の混雑は避けられません。
すでに都内では3〜5日待ちが常態化し、繁忙期には10日以上待つ事例もあります。人生の最終段階における尊厳を守るためにも、火葬インフラの将来像を考える必要があります。
こうした背景から、本市として広域自治体との連携をどう考えているのか、また今後の需要増にどう備えるのかを伺います。
⒉ 学校施設におけるイベント利用の在り方と公平性について
井之頭小学校で行われた七十周年記念事業「吉祥寺場所」は、卒業生プロレスラーが参加するなど、学校と地域を結ぶ象徴的な取り組みでした。一方で、自由席5500円、立ち見3000円といった有償イベントが一般販売され、チケットぴあで取り扱われるなど、従来の学校施設利用の枠を超えた事例でもあります。
学校施設は市民共有の公共資源です。特定団体だけが特例的に許可されるような形ではなく、誰が見ても公平で透明なルールが必要です。
今後、プロレスに限らず、音楽ライブ、落語、文化催事など多様なイベントが申請された場合にも同じ基準で判断できる制度を整えるべきだと考えています。
今回の事例を踏まえ、制度の整理や利用基準の明確化について伺います。
⒊ 地域防災マネージャー制度の導入に向けた検討状況について
近年の災害対応では、初動段階で行政と自衛隊が正確に連携できるかどうかが大きな鍵になります。秋田県の熊害対応では、自衛隊の副師団長が直接県に派遣され、極めて迅速な調整が行われました。行政と災害現場の“共通言語”を理解する人材がいたことが大きかったと言われています。
市町村は被害状況の把握や都への報告、自衛隊との調整の実務を担っています。このため、自衛隊と行政の双方を理解し、情報整理ができる専門人材の存在が市レベルでも重要になります。
本市は令和6年第1回定例会で地域防災マネージャー制度について「研究する」と答弁していますが、その後の検討状況や課題を伺います。
制度の導入は、災害対応の実務を支える現実的な選択肢になり得ると考えています。
⒋ 特色ある教育活動、吹奏楽クラブについて
今年、武蔵野市の第一小学校と第三小学校が全国大会で最高賞を受賞しました。市内の吹奏楽クラブの水準は全国でも高い評価を受けています。
一方で、楽器の老朽化、修繕や更新費の不足、全国大会遠征に伴う負担など、保護者の負担が大きくなりがちな現状があります。
これまで市長は議員時代から一貫して吹奏楽クラブの支援の必要性を指摘してきました。市内全体の活動状況の把握、支援制度の在り方、遠征費や楽器整備費の支援強化など、より持続可能な仕組みをどう考えているのか伺います。
おわりに
今回の一般質問は、いずれも市民生活に直接関わる重要なテーマです。一つひとつの課題に丁寧に向き合い、改善につながる議論を積み重ねていきたいと考えています。
一般質問は12月3日午後に登壇します。ぜひ傍聴やインターネット中継をご覧いただければ幸いです。
関連リンクインターネット中継通告書
武蔵境の地域イベント体験|第16回ピクニックで感じた人とまちのつながり
本日、武蔵境駅南口の境南ふれあい広場公園で第16回武蔵境ピクニックが開催された。JR中央線・西武多摩川線の武蔵境駅周辺の商店会、市民団体、大学などが連携し、実行委員会を立ち上げて実施される地域イベントだ。
目的は市民交流や商業振興を通じた地域活性化。スタンプラリーや買い物イベント、地元飲食店の出店などが並び、多くの来場者で賑わっていた。
会場である境南ふれあい広場公園には、地域の団体や商店が多数のブースを出展していた。とりわけ飲食系のブースが充実しており、手づくりの料理や地元ならではの品を求める来場者の列が途切れなかった。また、自衛隊西東京地域事務所からも自衛官が参加し、活動報告や装備展示を行っていた。来場者に対して丁寧な説明を行いながら、地域に根差して活動している様子がよく伝わってきた。
中でも印象に残ったのは、あるブースで販売されていた焼きまんじゅう。群馬県民にとっては言わずと知れたソウルフードであり、群馬出身の私が真っ先に手を伸ばしたのも焼きまんじゅうだった。ほんのり甘い味噌だれの香ばしさが、ふと郷里の空気を呼び起こす。まさか武蔵境で焼きまんじゅうを食べる日が来るとは思いもしなかった。
あいにく天気は雨となったが、傘を手にした親子連れや地元住民の姿が絶えることはなかった。足元の悪い中でも、地域のつながりを感じられる機会となった。運営に尽力されたすべての方々に敬意を表したい。
その中でも私は今回、初めてスタンプラリーショッピングに参加した。チェックポイントは全部で13箇所。桜堤から境南町まで、武蔵境エリアをほぼ網羅する構成となっていた。雨の中、チェックポイントを一つずつ巡りながら、普段は通り過ぎてしまう場所に立ち止まり、まちの空気に改めて触れることができた。それぞれのポイントではスタッフや参加者とのちょっとしたやり取りがあり、地域との距離が縮まる実感があった。
スタンプラリーの参加費は500円。しかし、受付で配布されるスタンプシートと一緒に500円分の地域通貨が付いてくるため、実質的には申し込むだけで無料で参加できる仕組みだ。さらに、全13箇所をコンプリートすると追加で1500円分の地域通貨が進呈されるため、実質2000円分の買い物ができる。地域通貨は当日の会場内だけでなく、武蔵境エリアの加盟店でも利用可能。単なるスタンプラリーではなく、地域経済を循環させる仕掛けとして非常によく考えられている。正直、よくできているなと感心した。
武蔵境で開かれるイベントは、主催者と参加者の距離が近く、温かみと親しみを感じられるものが多い。今回もその魅力をあらためて実感する機会となった。
関連リンク武蔵境ピクニック自衛隊西東京地域事務所焼きまんじゅう
研修報告 国民保護計画 練馬駐屯地
6月18日、部隊研修に参加する機会をいただき、陸上自衛隊の練馬駐屯地で国民保護計画についての話を伺った。
有事の際には第1後方支援連隊(練馬駐屯地)の補給隊が武蔵野市に割り当てられている。
補給隊が所属する第一後方支援連隊は第1師団の隷下部隊で所属部隊の第1整備大隊、第2整備大隊、補給隊、輸送隊、衛生隊で師団の兵站を実施することを主任務としている。一方で陸上自衛隊部隊はそれぞれの管轄にある市区町村を防衛警備や災害派遣の担任する隊区を持ち、第1後方支援連隊は多摩東分区を担任。部隊の中から補給隊が武蔵野市に割り当てられているという仕組みだ。
補給隊への割り当ては武蔵野市の他に清瀬市、東久留米市、西東京市、三鷹市の合計5市。練馬駐屯地には補給隊の他に本部付隊、第1整備大隊、第2整備大体、輸送隊、衛生隊の合計6部隊が隷下部隊として存在するが、それぞれに自治体が割り当ている。詳細は以下の通り。
第一後方支援連隊 練馬駐屯地
本部付隊・小平市
第1整備大隊・国立市・府中市・調布市・狛江市・多摩市・稲城市
第2整備大隊・武蔵村山市・東大和市・昭島市・立川市・国分寺市
補給隊・清瀬市・東久留米市・西東京市・武蔵野市・三鷹市
輸送隊・東村山市
衛生隊・小金井市
上記の19市が多摩東分区として第1後方支援連隊に割り当てられている。第1後方支援連隊の人数は約700人。単純計算でも1市あたり36人という計算だ。これを多いと取るか、少ないと取るか。少ないと感じる人の方が多いのではないだろうか。
しかし、ここでの人数はあくまで防衛警備や災害派遣における連絡幹部(LOという)や自治体との連携に必要な人員であり、なんらかの人海戦術が必要な対応をするための派遣ではないということがポイントとなる。
自衛隊の主たる任務は侵略の排除であり、第1後方支援連隊の任務は第1師団の兵站業務だ。つまりは武力攻撃事態となり、国民保護法が適用される状況下においては自衛隊への過度な依存は自治体として立ち行かなくなるリスクがある。国民保護法には自衛隊は余力で自治体が行う国民保護計画を支援するとされている。果たして、そうした有事に自衛隊に余力があるだろうか。
そうしたことから、国民保護計画は自治体が主役として市民の生命と財産を守るために尽力する必要がある。そのためには平時からの自衛隊との連携訓練、その訓練の中でどうしても自衛隊に頼らなければならないこと、市が独自に対応できることなどをしっかりと見極めておくことが重要だ。
武蔵野市にも「武蔵野市国民保護計画」が定めてある。北朝鮮がミサイル発射実験を頻発し、ロシアのウクライナ侵攻を目の当たりにする中で、この武蔵野市国民保護計画の精査、見直し、そして現実的な訓練の実施は急ぎ行うべきだと考える。
アニマチReクリエイション2023 ステージイベント開催 境南ふれあい広場公園
3月11日、境南ふれあい広場公園(武蔵境駅南口駅前)でアニマチReクリエイション2023のステージイベントが開催された。
こちらの境南ふれあい広場公園で行われたステージイベントは3部構成。
最初に行われたのは「訪れてみたい日本の聖地88」アニメ聖地88認定プレート贈呈式。続いて、アニソンシンガーの大島はるなさんのステージが第一部、第二部と行われた。
今回、聖地認定されたのはもちろんSHIROBAKOだ。かねてより毎年、この武蔵境はSHIROBAKOの聖地として訪れてみたい日本の聖地88に選出されていたが、今回ついに認定プレート贈呈式に至った。
SHIROBAKOは2015年3月にテレビ放送が終わり、その後の根強い人気で劇場版「SHIROBAKO」が制作された。劇場版の公開がコロナの感染拡大のタイミングで映画館が休館となってしまったため、不遇の作品となってしまった。それでもその舞台となった武蔵境には今もSHIROBAKOの舞台を見るために大勢のSHIROBAKOファンが訪れている。
SHIROBAKOはマンホール設置の噂もチラチラっと聞こえてくるので、そちらも期待したい。
また、境南ふれあい広場公園ではステージイベントの他にも、ゆるキャン△ピングカーの展示やキッチンカー、地元の商店による出店、また自衛隊による災害時非常食の啓発などが行われた。
この境南ふれあい広場公園は公園ではあるがイベント広場的な要素が強く、これまでもラグビーワールドカップのパブリックビューイングが行われたり、さかいマルシェやさかい夜市、中央線ビールフェスなど様々なイベントが催されている市内でも貴重な公園となっている。今後もこうしたイベントが行える公園として守っていきたい。
さて、今回このアニマチReクリエイション2023を主催したのはアニマチReクリエイション運営連絡協議会だ。共催として一般社団法人小金井アニメ協議会、一般社団法人小金井観光まちおこし協会、武蔵境商店会連合会、三鷹商工会が名前を連ねている。
共催団体が3市にまたがっており、実はイベントそのものはJR中央線の三鷹駅周辺、武蔵境駅周辺、東小金井駅周辺、武蔵小金井駅周辺と広域にわたっての開催だ。元々は小金井アニメ協議会が小金井市内で実施していたイベントが、昨年のAnimeConference2022では武蔵野市と小金井市が後援、そして今年は三鷹商工会も加わっての広域のイベントに成長してきた。このイベントの全てを楽しむためには移動が伴い、来場者が回遊するというというのがポイントだ。回遊するその周辺にはコラボしている商店、飲食店などがあり、地元で経済活動も行ってもらおうという目的もある。
中央線沿いはアニメの聖地も多いことから、規模と範囲が広がって行くことにも期待したい。イベント期間は3月26日まで行われるので、興味を持たれた方はぜひこれから楽しんでほしい。詳しくはアニマチReクリエイション2023のサイトにて。
リンクアニマチReクリエイション2023


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