クレカ規制(金融検閲)に対する意見書

最近、悪い意味で話題となっているクレジットカード規制について、意見書を作成しました。この意見書を、武蔵野市議会の令和7年第1回定例会で可決させたいと考えています。

本来、このような問題は国政の場で対応すべき案件です。しかし、地方議会に何もできないわけではありません。その一つの手段が、意見書の提出です。

意見書については、地方自治法第99条において、「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件について意見書を国会または関係行政庁に提出することができる」と規定されています。今回のクレジットカード規制については、コンテンツ産業に関わる多くの方々が影響を受けることから、武蔵野市としても公益に関わる問題だと考えます。商工会議所がアニメを通じて武蔵野市を盛り上げようとしていることや、多くのクリエイターが市内に暮らしていることが、この問題と深く関係しているためです。さらに、それ以上に、クレジット決済を利用してネット通販を行う市民も数多く存在するはずです。このような市民にとって、クレジットカード規制は生活に大きな影響を与える問題となります。

また、武蔵野市では、ネット通販を利用しなくても都心に出ることで大抵のものを購入することが可能です。しかし、地方ではどうでしょうか。ネット通販を利用することで、都市部と同じように商品を購入できていた地域の方々が、クレジット決済という手段を失うことで、必要なものが購入できなくなる可能性があります。

このように考えると、クレジットカード規制は、まさに日本全国どこの自治体においても公益に関わる重要な問題と言えるのではないでしょうか。


以下、意見書文案

金融インフラにおける透明性の向上と公平性を確保するための対策を講じることを求める意見書

 近年、クレジットカード会社や決済サービスが独自の基準に基づき、特定の事業や取引を制限・停止する「金融検閲」と呼ばれる問題が深刻化している。このような規制は、合法的な事業活動を不当に制約し、特定の価値観や思想を持つ個人や団体が適切なサービスを受けられなくなる事態を招く。これにより、表現の自由や多様な文化の発展が損なわれるだけでなく、経済活動そのものに甚大な影響を及ぼしている。
 特に、アートや文化活動、政治的・社会的メッセージを発信する活動が規制の対象となることで、特定の表現や創作の場が狭められる懸念がある。このような状況は、社会における健全な議論の機会を奪い、多様性や創造性を縮小させる結果を招きかねない。表現の自由は民主主義社会の基盤であり、これが制約されることは社会全体の健全な発展を阻害する重大な問題である。
 また、こうした規制は、多くの場合、事前の通知や明確な基準がないまま行われるため、突然の取引停止により、事業者が予測不能なリスクに直面し、経済的損失を被る事例も少なくない。さらに、グローバルな決済プラットフォームの普及に伴い、特定国の基準が他国にも影響を与え、地域の多様性や文化的背景が考慮されないまま規制が適用される懸念がある。
 この現状は極めて不健全である。民間企業が提供するサービスであっても、金融インフラは本来、公平で中立的な存在であるべきであり、特定の価値観や基準によって利用者や事業者が不当に制限されることは避けなければならない。このような状況が放置されれば、社会全体の自由で多様な発展が妨げられ、民主的な基盤そのものが揺らぐ危険性がある。
 よって、〇〇○市議会は、貴職に対し、金融インフラにおける透明性の向上と公平性を確保するための対策を講じることを強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和7年○月○日.
〇〇○市議会議長 〇〇〇〇


内閣総理大臣
総務大臣
経済産業大臣


 意見書は武蔵野市議会を想定して書いたものですので、各議会によってその書きっぷりなどは異なってくると思います。その辺りは自由に書き換えていただいて構いませんし、そのまま出していただいても構いません。意見書を出すこと自体には大きな力はないかもしれませんが、各議会からどんどん出されるということで一つの動きができれば良いと思っております。

 私自身は立憲民主党に所属しておりますが、どちらの政党の方でも無所属の方でもご自由に使っていただければ幸いです。

 意見書を提出していただけましたらぜひGoogleフォームに登録してください。
 https://forms.gle/VzcBJ65ynnzR48KZ6

意見書
金融インフラにおける透明性の向上と公平性を確保するための対策を講じることを求める意見書.pdf
金融インフラにおける透明性の向上と公平性を確保するための対策を講じることを求める意見書.docx

関連記事
意外と知らない「クレカ決済NGの通販サイト」がどんどん増加している理由(Yahoo!ニュース)
強まる「クレカの表現規制」 “アダルトと決済”のこれからはどうなる?(ITmediaNEWS)
山田太郎議員が米Visa本社で会談──クレカ表現規制巡り「合法コンテンツの取引で価値判断はしない」との発言引き出す【追記あり】
クレジットカード業者による「表現規制」なぜ? 交渉すべき相手すら「闇の中」の現状(Yahoo!ニュース)
クレジットカード会社等による表現規制「金融検閲」問題を考える(NPO法人うぐいすリボン)