武蔵野市議会文教委員会の行政視察で愛知県小牧市の子育て包括支援センターを視察した。

小牧駅から徒歩5分程度のところに「ラピオ」というビルがあり、その3階に子育て世代包括支援センターがある。
このラピオは小牧駅周辺の中心市街地の活性化を図るために都市環境の改善と地域商業の活性化を目指し、第1種市街地再開発事業として、平成7年9月に公共公益施設(女性センター・スポーツセンター・地下駐車場)と商業施設を配置した複合ビルとしてオープンした。名前の由来は「ライフ ピープル オアシス」の略で、人々の生活のオアシスとしての場という意味を込めて名付けられたそうだ。
当初は1階から4階までイトーヨーカドー小牧店が営業し、数多くの専門店も出店するなど、駅前の商業ビルとして賑わっていた。
その後、郊外に大型ショッピングセンターが進出し、中心市街地の商業の空洞化が見られる傾向が強まる中、平成19年にはイトーヨーカドー小牧店が退店。同年11月にイトーヨーカドーに代わるキーテナントとして1階から3階まで平和堂小牧店がオープンした。平成20年7月にえほん図書館、子育て広場等の公共施設がオープン。その後、平成22年にはテナントが相次いで退店したのち、平成23年12月、3階にファニチャードーム小牧店がオープン。その後、平成28年6月にはファニチャードーム小牧店が、平成29年4月には平和堂小牧店が、それぞれラピオビルから撤退することを発表。ラピオビルの空床問題が深刻化したことを受け、平成29年6月にラピオビル再構築方針を決定。それを受けて、子育て支援の充実を図るとともに、ラピオビルの活用を優先するため、子育て世代包括支援センターを平成29年度から平成30年度にかけて先行整備。二期工事として令和元年度から令和2年度にこまきこども未来館をが整備された。

このように、もともとラピオビルは地域商業活性化のための事業としてスタート。深刻な空床化問題に対応するための苦肉の策が子育て世代包括支援センターにつながったという経緯がある。
それまで子育て支援は中央子育て支援センター、母子保健は保健センター、家庭児童相談、ひとり親相談、児童虐待対応は本庁こども政策課と3カ所に分散されていて機能していたが、子育て世代包括支援センターができたことで支援センター機能、保健センター機能、こども家庭総合支援拠点機能の3つを併せ持つ組織が誕生することになった。
複合施設に子育て世代包括支援センターが入るということは、相談窓口、支援窓口へのアクセスも容易となる。子育て世代包括支援センターで行える機能は次のとおり。
- 子育て世代包括支援センターの一時預かり
- 産後ケア事業
- 産前・産後ヘルパー
- 自立支援教育訓練給付補助金
- ひとり親家庭高等技術訓練促進費補助金
- ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業
- 子育て短期支援事業
今回は子育て世代包括支援センターの視察だったが、複合施設であることからセンターの他にも子どもに関わる様々な施設で充実している。


