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行政視察 姫路駅周辺整備事業における取り組み 総務委員会

武蔵野市は吉祥寺駅南口駅前交通広場の整備や三鷹駅北口ロータリーリニューアルなどの事業が控えている。全国的にも評価の高い姫路駅周辺整備事業の成功例を参考に今後に活かしていくため、姫路駅周辺整備事業における取り組みについてのお話を伺った。

都市計画変更案を白紙に?!

平成20年、姫路市は都市計画変更案(市素案)を発表、市素案について、交通空間や交通施設整備、歩行者空間、環境、賑わい機能に対し(良い、どちらともいえない、悪い)を選択するアンケート形式による意見募集を行った。

その結果、なんと回答の7割が「悪い」

アンケートの結果を受け、各種団体からの提案を求める。

そして4案、姫路市商店街連合会、姫路商工会議所 姫路駅周辺特別委員会、姫路駅西地区「まちづくり」協議会、市議会創夢会(会派)からそれぞれ提案がなされた。

元々の市の案は交通渋滞の解消などに重点をおいたものだったが、提案された案はどれも駅前の賑わいなどに重点がおかれており、最終的に市は市素案を白紙撤回。提案された案や様々な意見を集約し、新たな計画を作る決定をした。

一般的に行政がある程度完成している素案などを白紙に戻すことはない。この事業での白紙撤回は異例中の異例といえるが、結果的にそれが良い結果を結果をもたらすこととなった。

姫路駅北駅前広場整備推進会議

新たな計画を作るにあたっては、関わる様々な団体を巻き込んでの推進会議が開かれた。

関係各種団体が推薦する者
 ・姫路商工会議所
 ・姫路市商店街連合会
 ・姫路駅西「まちづくり」協議会
 ・大手前通りまちづくり協議会
交通事業者が推薦する者
 ・山陽電気鉄道株式会社
 ・神姫バス株式会社
 ・社団法人 兵庫県タクシー協会
 ・西日本旅客鉄道株式会社
関係権利団体
 ・西日本旅客鉄道株式会社
 ・株式会社姫路駅ビル
 ・株式会社山陽百貨店
 ・株式会社しらさぎ
関係行政機関
 ・兵庫県姫路警察署
 ・兵庫県中播磨県民局
アドバイザー
 ・姫路市都市景観アドバイザー
 ・兵庫県県土整備部
 ・兵庫県警察本部
 ・姫路市議会 姫路駅周辺整備特別委員会

それぞれの団体がそれぞれに意見を出し合い、17回の会議を経て最終的な計画案が作られた。

その基本コンセプトは

〜 輝き続ける城下町姫路の新たな顔 〜
「城を望み、時を感じ人が交流するおもてなし広場」

江戸時代に今の技術があったらどんなものを作るだろう

駅正面に姫路城を望み、そして在来線のホームからも新幹線のホームからも姫路城を見ることができる。それぞれ利害関係にある団体が対立しつつも最終的に合意形成に至った背景には明治大学の小林正美教授の活躍があった。対立する団体間であっても教授が丁寧に説明をすることで、そういうことであれば、と少しずつ相互理解が深まっていったそうだ。

公共スペースのデザインを市民とのワークショップを重ねながら実現した国内では珍しいケース。駅前といえば一般的には交通広場となりがちだが、ここでは姫路城と歩行者が中心。日本初のトランジットモールを実現し、交通のための場所から人々が歩いて楽しめる駅前広場を作り出すことに成功した。

根気よく市民とのワークショップを重ねて作る手法は時間は掛かるが、地元のニーズに応えられるような計画を立てるためには重要な手法。また、トランジットモールは吉祥寺駅周辺との相性も良さそうだ。

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