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都立高校のスピーキングテストについて 一般質問 2022年第1回定例会

現在の中学2年生が来年度の都立高校入学試験で受ける英語のスピーキングテストに疑問の声が高まっている。

スピーキングテストとは「ESAT-J(イーサットJ)」(English Speaking Achivement Test for Junior High School Students)のことで、専用のタブレット端末とヘッドセットを使い、生徒の解答を録音してデータを送信して採点するテストのことだ。
英語のスピーキングは大切だと考えるが、現状での入試の方法を聞くと多くの疑問を感じることや市立中学校でこのスピーキングテストに対応できる授業が実施できるのか、さらに民間事業者への利益誘導になってしまう懸念も指摘されていることから、武蔵野市教育委員会に見解を質した。

報道や都議会での議論の様子を聞くと、スピーキングテストの実際の運営は民間企業が行い、フィリピンで行うとされている。スピーキングテストは都内で約8万人が受けることになるが、この約8万人の音声データをどのように採点をするのかが不明確だ。

採点基準がどうなっているのか。
報道などでは明らかになっていないが、受験をする側の中学3年生を預かり、授業でスピーキングを教えることになる武蔵野市教育委員会は、基準が明らかにならなければ授業の組み立てなどができないのではないだろうか。
採点する人はどのような人で、どのような資格を持ち、どのような能力を持っている人なのだろうか。それともAIが判断するのだろうか。この辺りも気になるところだ。

英語には、いわゆるイギリス英語とアメリカ英語がある。オーストラリアも英語圏だが、発音が異なると聞いている。フィリピンでは小学校から英語を習い、英語を話す人が多いようだが、タガログ語が少し混ざった「タグリッシュ」が特徴といわれており、いわゆる英語とは少々異なっているようだ。
さらには日本の英語の先生の発音はネイティブの人とまったく同じなのだろうか。
こうしたことを考えても、明確に採点基準がわからなければ、入試に向けた勉強をすることができないのではないだろうか。

スピーキングテストの配点は20点。スピーキングテスト導入後の英語のテストは120点満点になるとされている。他の教科は100点満点であることを考えると、英語が占める点数の配分が高いことになる。これはバランス的に問題はないのだろうか。

また、スピーキングテストを受けられなかった人は、都立高校を受験できないかといえばそんなことはない。その場合はスピーキングテストの配点である20点が得られないのではなく、筆記テストの点数を1.2倍して最大120点に換算するとされている。これではスピーキングが苦手な受験生はわざとスピーキングテストを受けない、といった裏技的に受験を有利に進めることができるのでは、などとも思ってしまう。

スピーキングテストは、すでにプレテストが行われているため、現場でどのような課題が挙げられているのだろうか。
プレテストを受けて生徒の保護者から聞いた話では、「他の生徒の声が聞こえてしまった」「集中できなかった」「答えが聞こえてわかってしまった」などといった話も伺った。

生徒に吃音がある場合に不利にならないのか。発声障害や失声症といった声が出にくい、または出なくなってしまう病気もある。聾唖の生徒もいる。こうした生徒たちの点数はどうなるのだろうか。さまざま疑問が残る。

英語のスピーキングが重要であることは理解している。入学試験や学校教育がこうした方向に向かうことは当然だ。しかし、これだけ多くの疑問や課題がある中でスピーキングテストを進めてしまって良いのだろうか。
高校受験は子どもたちにとって、生まれて初めてのハードルかもしれない。しかし、そのハードルは子どもの人生に大きく影響を与える可能性がある。納得のできる状態で臨めるテストであるべきと考え、今後も注視をしていきたい。

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