武蔵野市議会文教委員会の行政視察で愛知県一宮市のプログラミング教育について伺った。
現在、一宮市ではすべての市立小中学校にPepperが配備されプログラミング教育に活かされている。Pepperで使用されるプログラム言語は「Robo Blocks」。SCRATCHに似ていて、同じようにブロックを組み合わせて組み立てていくプログラミング言語。SCRATCHとの大きな違いとしてPepper本体のセンサーなどが直接扱えるようになっているとのことだ。
市ではプログラミングコンテストも行われておりテーマが定められている。
- 小学校 → 身の回りでやくだつPepper
- 中学校 → 社会の課題を解決するPepper
- 部活動 → 学校案内をするPepperなど
このコンテストは、各校での予選を経て市内全体から優秀作品が選ばれる。ここで選ばれた優秀作品はソフトバンクのプログラミングコンテストの予選会へと駒を進めることになる。
Pepperそのものは各自に一台あるわけではないので、ある程度のグループ分けが行われグループ単位での開発が行われるそうだ。その中には絵が得意なものもいれば、音楽が得意なものもおり、それぞれを担当して一つのシステムを作っていくとのこと。
これについて、「プログラミング教育という観点から見るとセンスの良い児童生徒がプログラミングを担当すればそれなりのものができるのではないか?」という質問をした。
基本的なプログラミングがすべての児童生徒がマスターしており、その中からそれぞれが得意分野を分担していくとのことだった。
果たして、指導する側は子どもたちのセンスについていけるのか?これも気になるところだったので聞いてみた。実際に現場を経験された方からは「これをしたい、あれをしたいという子どもたちの要望を子どもたちの一緒に調べならがら進めた」とのことで、なるほどこれなら子どもたちと楽しみながら学べるだろうと個人的には納得。
課題としては、間も無く無償貸与期間が終了するため、多額のコストが発生すること。Chromebookは一人一台端末が実現しているのでプログラミングは一人一人行えるが、Pepperが少ないため、全員のプログラムをPepperで動かすことができないといったことが挙げられていた。
例えばPepperに代わるロボットを数千円程度の安価なロボットに変えることで一人一台ロボットは?との質問をしたが、3万1千人程度の全児童生徒にとなると現実的には引き続きPepperで有償プランに移行する方がコスト的には安いとのことで、今後のコスト増をどのように乗り越えていくかが大きな壁となっていそうだ。
この間のPepper導入から現在に至るまでの運用について、議会の反応を伺ったが非常に肯定的に受け入れられているとのことだった。