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不健全図書の名称変更 都議会で一歩前進

 東京都議会立憲民主党が取り組んできた「不健全図書」の名称変更について、幹事長の西沢けいた都議会議員より談話が発表された。

 本日の都議会本会議において、わが会派の「青少年健全育成条例に基づく『不健全図書類』の名称を変更すべき」旨の代表質問に対して、東京都から「条例の趣旨が、より明確に伝わるよう、告示やホームページ等の広報物の記載について、検討していく」との答弁を得ました。

 2月2日、112名もの漫画家から、東京都青少年の健全な育成に関する条例に基づく「不健全な図書類」の名称を改めてほしいとの要望を受けたこともあり、私たちは、今定例会において、「不健全」の名称変更するための条例改正を提案すべく、パブリックコメントの実施など、準備を進めてきました。
 こうしたなか、今回、東京都から、一歩前進(※)とも言える答弁を得ることができ、今定例会での条例提案を見送ることといたしました。

 今後は、名称変更をいつ行うのか、ホームページから「不健全」の言葉がいつなくなるのか、などを注視し、条例提案も念頭に置きながら、引き続き、「不健全」の名称が、着実に変更されるよう取り組んでいく考えです。

以上

※ これまで東京都は「(不健全な図書類)この表現は、条例の目的に照らして適切なものと考えております」(2023年9月26日 都議会本会議)と答弁していました。

 東京都によって不健全図書としての指定を受けると、Amazonから消えてしまうことから事実上の発禁処分ともいえるものだ。

 指定は不健全図書の定義も曖昧なまま審議会と呼ばれる非公開の会議で行われており、おまけに委員によっての基準もバラバラだ。現在は主にBL(ボーイズラブ)作品を中心に指定が行われている。

 これら「不健全図書類」の指定は青少年健全育成条例が根拠であることから、その目的は青少年を健全に育成することである。果たして「健全」とはどういった状態を指すのか?など言いたいことは他にもあるが、条例の趣旨としては少なくとも「本を流通させないこと」が目的ではないはずだ。

 今回、東京都はその趣旨をしっかりと伝えると答弁をした。条例の趣旨がしっかりと伝わることで指定を受けた本が流通ルートから外れるということがなくなってくれれば良いが、実際にどうなるかはまだわからない。だが不健全図書の名称変更に向けての第一歩は踏み出せたと思う。今後も引き続き注視しつつ、改善に取り組んでいきたい。

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