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武蔵野市議会でがん患者のアピアランスケア支援を質問|助成制度が実現へ


武蔵野市議会でがん患者のアピアランスケア支援を一般質問 〜支援制度導入へ前向きな答弁・4月より実施〜

令和7年2月27日、武蔵野市議会本会議で一般質問

令和7年2月27日、武蔵野市議会の本会議でがん患者のアピアランスケア支援の導入について一般質問を行った。

がん治療に伴う外見の変化は、患者の精神的負担だけでなく、社会参加や就労にも大きな影響を及ぼす。特に医療用ウィッグや補整下着などの購入費用は高額であり、経済的な負担も無視できない。がん患者が安心して治療を受けながら社会復帰できる環境を整えるため、武蔵野市において公的支援制度の導入を求めた。


一般質問の内容

今回の一般質問では、がん患者への公的支援制度の現状や、今後の対応について、以下の7つの質問を行った。

1. 武蔵野市におけるアピアランスケア支援の現状

現時点で、武蔵野市にはがん患者のアピアランスケアに対する公的支援制度は存在しない。患者の負担軽減や生活の質向上のためにも、公的な支援が必要である。

2. 社会参加・就労支援の現状

がん治療に伴う外見の変化により、社会参加や就労に支障をきたす患者が多い。現状では、外見の変化に特化した支援策は整備されていない。がん患者が安心して働ける環境を整えることが求められる。

3. 三鷹市の助成制度を参考に、武蔵野市での導入の可能性は?

三鷹市では「がん患者のアピアランスケア助成金」として、医療用ウィッグ、毛付き帽子、人工乳房、補整下着、弾性着衣の購入・レンタル費用を助成する制度を実施している。武蔵野市でも同様の支援策の導入を求めたところ、市側から前向きな答弁が得られ、令和7年度(2025年度)4月からの実施を目指し、詳細な制度設計を進めるとのことだった。


相談体制の現状と今後の強化

4. 相談体制の整備状況

がん患者やその家族が、治療やアピアランスケア、就労支援について相談できる体制について確認した。現在、武蔵野市では保健センターに一般的ながん相談窓口があるものの、アピアランスケアに特化した相談窓口は設けられていない。そうした相談があった場合、武蔵野赤十字病院を案内している状況である。

今後、市の保健センターや病院との連携をより一層強化し、専門的な支援が提供できる体制の整備が求められる。

5. がん患者向け専門相談員の配置について

市の保健センターや地域医療機関と連携し、がん患者向けの専門相談員を配置する考えはあるかを質問。市側の答弁では、専門相談員の配置は予定していないとのことだった。本市においては武蔵野赤十字病院がその役割を担っているため、現時点では新たな配置は検討されていない。しかし、さらなるニーズが確認されれば、改めて専門相談員の導入を検討する余地がある。

6. NPOや支援団体との連携強化

がん患者への情報提供を強化するため、NPOや支援団体との連携を進める考えについて質問。市側の答弁では、既存のがん支援団体との連携については今後検討とのことだった。NPOや支援団体の持つ専門的な知見を活用し、市の支援体制を強化することが求められる。

7. 相談窓口や支援制度の周知方法

市のホームページや広報誌、医療機関でのパンフレット配布など、相談窓口や支援制度の広報を強化する予定はあるかを質問。市側は「今後、より積極的な情報発信を検討する」との答弁だったが、現状では十分な広報活動が行われているとは言えず、さらなる強化が必要と感じた。


今後の展望

今回の一般質問を通じて、武蔵野市においてもアピアランスケア支援制度が導入される方向性が示されたことは大きな前進。令和7年度からのスタートを目指し、より具体的な内容が決定していく見込み。

一方で、相談体制や広報の充実はまだ不十分であり、今後も継続的な働きかけが必要である。

がん患者が安心して治療に専念し、社会復帰できる環境を整えるため、支援制度の拡充やサポート体制の強化を求めていく。

今後は、支援制度の詳細な内容や助成の申請方法、市の広報活動の進展なども注視しながら、がん患者やその家族が適切な支援を受けられるように取り組んでいく必要がある。

また、自治体だけでなく、企業や地域社会全体での支援体制の構築が求められる。アピアランスケア支援を通じて、がん患者が安心して社会生活を送れるよう、官民一体となった取り組みを進めるべきである。

武蔵野市のアピアランスケア支援の実施に向けた取り組みについて、引き続き注視していきたい。

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