本日、武蔵野市議会において臨時会が開催され、議長・副議長の選出を含む新体制の構築が行われた。
地方自治法では、議長の任期は4年とされているが、武蔵野市議会では長年の慣例として、議会任期の中間点となる第2回定例会を前に、正副議長が任期を2年で辞職し、新たな人事にあたることが通例となっている。これは議会運営の中立性や公平性を確保し、議員間の合意形成を柔軟にするための慣行でもある。
今回の臨時会でもその慣例に則り、まず落合議長より辞職願いが提出された。議会で辞職が認められた後、議長選出のための指名投票が実施された。投票は無記名による方式で行われ、議員25名中、14票が木崎剛議員に、残る11票は無効票となった。これにより木崎議員が新たな議長に選出された。
引き続き、新議長のもとで与座副議長より辞職願いが提出され、辞職が認められた後、副議長の指名投票が実施された。こちらも同様に、14票が西園寺みきこ議員に、11票が無効票という結果となり、西園寺議員が副議長に就任することが決まった。
私は市議会議員として10年活動してきたが、これまでにも正副議長の指名投票で票が割れることはあったものの、今回のように無効票が10票を超えるケースは、少なくとも私の記憶にはない。指名投票という形式は、議員が個人の信条や会派の方針に基づいて判断を示す貴重な機会であるが、その中で無効票がここまで多数にのぼったことは、議会内における何らかの変化や距離感を映し出す結果とも受け取れる。
無効票が必ずしも対立や分裂を意味するとは限らない。しかし、指名先を明示せずに票を投じないという選択がこれほど集中した事例は極めて稀であり、単なる技術的な結果以上の意味を持つ可能性がある。意思表示の手段としての無効票が選ばれた背景には、議会の運営方針、人事選出の過程、あるいは個別の政治的判断が影響しているのかもしれない。
今後、新たな議長・副議長のもとで議会がどのように運営されていくのか。そのかじ取りが問われるとともに、今回の選挙結果が一過性のものなのか、より構造的な変化の兆しなのか、注視していく必要があると感じている。
