武蔵野市、ペットボトル毎週回収が復活へ

市民の声と議会の提案が実を結び、2026年7月から再スタート
隔週化の経緯と当時の期待
武蔵野市は2019年4月から、ペットボトルの回収を「毎週」から「隔週」へと変更した。背景にはごみ収集の効率化や環境負荷の軽減への期待があった。当時は市民からも「ごみ減量に取り組みたい」「リサイクルの仕組みをもっと良くしたい」という声があり、行政としても一定の期待感を持って始められた施策だった。
市は「資源ごみ全般を対象に隔週化することで効率性を高める」と説明していた。さらに「分別を進めることで焼却量を減らし、CO2排出削減にもつながる」との狙いも示されていた。確かに理屈の上では合理的であり、市民も最初は一定の理解を示した。
しかし実際に運用が始まると、すぐに課題が浮き彫りになった。
市民生活に直結した課題
隔週回収になると、ペットボトルの量がすぐにかさばり、袋が一杯になってしまう家庭が多かった。
「置き場所がなく玄関先やベランダに積み上げざるを得ない」
「夏場は臭いがひどくなる」
こうした切実な声が市民から寄せられた。
さらに、分別のモチベーションが下がり、ペットボトルを燃やすごみに混ぜてしまう事例も確認された。せっかくのリサイクル意識が損なわれ、結果として「ごみ減量を進めるための制度」が逆効果を生んでしまう場面もあったのである。
議会からの提案
私はこうした市民の声を受けて、議会の一般質問で「利便性が著しく下がっている」と訴えた。
「市民の生活実感を軽視したままの制度では、分別やリサイクルそのものが根付かなくなる。市民の利便性を最優先に、毎週回収へ戻してほしい」と提案した。
市の資料によれば、隔週化後にペットボトルの回収量は年間で約8%減少したものの、リサイクル率やコスト削減効果には大きな成果が見られなかった。つまり「不便さ」ばかりが強調され、期待された効果は乏しかったのである。
この現実を直視すれば、市民の生活実感に寄り添った修正が不可欠だった。
市民の声が市政を動かす
隔週化への不満はその後も続き、市民からは「毎週に戻してほしい」との要望が根強く寄せられた。市議会でも複数の議員が同様の指摘を重ね、ついには市政全体を動かす大きな流れとなった。
市長選では、現市長が「毎週回収の復活」を公約に掲げた。私は市長を応援していたわけではないが、この点については市民の声が政策に反映された結果であり、評価すべきことだと考えている。
重要なのは、市民が声を上げ、それが議会に届き、議会の提案が行政を動かし、最終的に市全体の政策転換につながったというプロセスそのものだ。
「失敗」ではなく「試みと修正」
ここで強調しておきたいのは、この隔週化が「失敗」だったという単純な話ではないという点である。厚生委員会での行政報告やその質疑でも「失敗」という言葉は出てきていない。
効率化や環境配慮という目的のもとに試みられ、一定の検証を経て課題が明らかになった。その上で、政策を修正し、より市民の生活実感に即した形へと改善される。むしろ、行政として健全なプロセスだと評価できる。
隔週化を経験したからこそ、「利便性を軽視した制度は分別率向上につながらない」という教訓を得ることができたのだ。
増え続けるペットボトルという現実
今回の方針転換には、ペットボトルの消費量増加という背景もある。飲料の多様化やコンビニ需要の拡大で、家庭から排出されるペットボトルは年々増加している。
武蔵野市も例外ではなく、「隔週回収では間に合わない」という現実が市民の間で共通認識になっていた。今後さらに増えると予測されるペットボトル排出に対応するには、収集体制の強化は不可欠だ。
2026年7月から、再び「毎週回収」へ
そしてついに、2026年7月からペットボトルの毎週回収が復活することが正式に決まった。隔週化から7年。長い時間をかけて検証し、市民の声と議会の提案を重ねた末にたどり着いた結論である。
この変更により、市民は無理なく分別・排出ができるようになり、リサイクルの質も向上することが期待される。ペットボトルを燃やすごみに混ぜてしまうといった副作用も軽減され、環境負荷の低減にもつながるだろう。
さらに、並行して導入予定の「プラスチック製品の資源化収集」や「給水スポットの設置」「市指定ごみ袋へのバイオマス素材配合」といった取り組みも、市民の協力を得やすい状況を作るはずだ。
今後への教訓
今回の事例は、政策を一度試み、効果を冷静に検証し、その結果を踏まえて修正するという行政運営の好例である。市民の声を議会が受け止め、議会の指摘が市政を動かし、最終的に市民生活の利便性と環境配慮を両立する制度が再構築された。
私はこれからも、市民生活の実感を丁寧にすくい上げ、それを市政へ反映させる姿勢を大切にしていきたいと考えている。

関連リンク: 武蔵野市 ごみリサイクルについて

