第51回衆議院選挙が始まった。
私の選挙区である東京18区では、松下玲子が中道改革連合公認候補として立候補している。
私が松下玲子を応援する理由は、政策の好みや陣営論理ではない。
政治の現場で、どこで立ち止まり、何を守り、どんな判断を引き受けてきたのか。その積み重ねを見た上での判断だ。

小選挙区の投票用紙には松下玲子、比例代表の投票用紙には中道とお書きください。
期日前投票は1月28日から2月7日、投票日は2月8日です。
まず触れるべきは、2010年の東京都青少年健全育成条例改正案、いわゆる都条例をめぐる議論である。
当時の東京都は、青少年の健全育成を名目に、表現規制を強化する方向へと大きく舵を切ろうとしていた。問題となったのは「非実在青少年」という概念だ。18歳未満に見える架空のキャラクターを対象に、性的表現を規制する。この考え方は、マンガ、アニメ、ゲームといった表現全体に広く影響を及ぼす可能性を持っていた。
この条例案は、2010年6月、都議会で否決された。
石原都政下において、条例案が本会議で否決されるのは初めての出来事だった。
そこには複数の議員による慎重な議論があったが、その中で松下玲子は、条例の問題点を具体的に掘り下げ、安易な賛成に流れない空気をつくる役割を果たした。
都庁側の説明をそのまま受け入れるのではなく、「非実在青少年」という曖昧な概念がどこまで拡大解釈され得るのか、その言葉の射程を一つひとつ確認し、問い直した。
重要なのは、反対のための反対ではなかった点だ。
「青少年を守る」という目的自体を否定せず、その手段として表現規制が本当に妥当なのかを問い続けた。必要なのは規制ではなく、家庭で親が子どもと向き合い、対話し、教育することではないか。その原点を、議会の場で明確に示した。
結果として、条例案は否決された。
石原都政初の否決という事実は、都議会が一度立ち止まったことを意味する。その立ち止まりの中に、松下玲子の議論と行動があった。
その後、条例は2010年12月に修正案として再提出され、「非実在青少年」という文言は削除された。不健全図書指定という制度自体は残ったものの、規制が一気に拡大する流れには歯止めがかかった。完全な勝利ではないが、将来への影響を見据えた判断だった。
この姿勢は、市長時代の行政運営にも一貫している。
コロナ禍は、自治体行政の真価が問われる局面だった。
正解がなく、情報は錯綜し、不安は社会全体に広がる。その中で、自治体のトップは判断を先送りすることも、責任を曖昧にすることもできた。しかし松下玲子は、現場の声を踏まえながら冷静に判断し、市民の命と暮らしを守るために必要な対策を一つひとつ積み重ねてきた。
コロナワクチンの予防接種では、武蔵野市の効率的な接種体制が全国的に注目され、自衛隊が視察に訪れた。その運用は、後に自衛隊の大規模接種会場にも活かされた。一自治体の現場での工夫が、国レベルの施策に反映された好例である。
生活支援でも、制度設計の巧さが際立っていた。
松下玲子の発案で実施された「くらし地域応援券」は、単なる給付ではない。お金が地域の中で循環するよう、細部まで考え抜かれた制度だった。
応援券は、商店街などの小規模店舗でしか使えない券と、大規模店舗でも使える券がセットになって配布された。
重要なのは、大規模店舗でも使える券であっても、小規模店舗で利用できる設計になっていた点だ。これにより、使う側の利便性を確保しながら、商店街や個人店に人とお金が流れやすい構造がつくられていた。
応援券は500円単位で発行され、使用するには同額以上の現金支出を伴う。
例えば、1,300円の買い物をする場合、500円券を1枚使い、残りの800円は現金で支払う。
つまり、応援券は家計の支出を置き換えるものではなく、地域での消費を上乗せする仕組みだった。
この設計によって、市が支出した分に必ず現金が加わり、そのお金が地域の店に落ちる。
現金と併用でき、端数を気にする必要もない。POSやクレジットカードを前提としないため、特別な設備投資を求められることもなく、地域で一番条件の厳しい小さな店まで確実に参加できた。
家計を直接支えながら、地域経済を回す。
くらし地域応援券は、どこで使われるべきかを明確に意識しつつ、使う側の自由度も確保した、完成度の高い制度だった。
子ども・子育て政策でも同様だ。
耳ざわりの良いスローガンではなく、実際に使われ、生活を支える制度を形にしてきた。その象徴が、待機児童0の達成と、18歳までの医療費完全無料化である。家庭の事情にかかわらず、子どもが必要な医療をためらわずに受けられる環境を整え、子育て世帯の負担を確実に軽減してきた。理念ではなく、生活に直結する政策だった。
ここで、これから実施される生活支援策にも触れておきたい。
現市政の下で予定されている物価高騰対策は、Visaギフトカードを用いた支援である。全国のVisa加盟店で利用でき、家計への直接的な支援として、もちろんありがたい施策だ。
一方で、クレジットカード決済が前提となり、複数枚の併用や現金との併用ができない仕組みとなっている。
そのため、POSを導入していない、あるいはクレジットカード利用に制約のある商店街の小さな店では、実際の運用において使いにくい場面が生じる可能性もある。
この違いは、制度の思想の違いを映している。
くらし地域応援券は、地域での循環を前提に設計されていた。どこで、誰が、どう使うのかを、生活の目線で考え抜いた制度だったと言える。
さらに重要なのは、市長としての判断が、司法の場でも検証に耐えたという事実だ。
松下玲子が市長在任時、武蔵野市が行った吉祥寺駅前の市有地売却と駐輪場整備をめぐり、土屋正忠元市長が、松下玲子個人に約10億円の賠償を求める住民訴訟を起こした。
この訴訟は、一審、二審、最高裁を通じて退けられた。
土地取引は、新たな駐輪場設置による市の利益が大きく、市の算定価格での取引に「裁量権の逸脱や濫用はない」と判断された。市の判断は、全面的に正当と認められた。
武蔵野市は過去、土屋正忠市長時代の市長交際費をめぐる住民訴訟で敗訴したことがある。
行政の裁量が「公益性がない」と否定された事例だ。
それだけに、今回の住民訴訟で、市の正当性が認められた意味は大きい。
同じ人物を軸に、行政判断が否定された過去と、後任市長の判断が全面的に肯定された現在が並ぶ。この対比は偶然ではない。
行政判断は、後から必ず検証される。
松下玲子の判断は、その検証に耐えきった。
危機の時に逃げない人。
暮らしの現場を起点に、制度を組み立ててきた人。
理念ではなく、判断と実績で語れる人。
そうした人にこそ、国政を担ってほしい。
だから私は、松下玲子を応援する。

