ホーム活動報告武蔵野市立第一小学校ラストコンサート|地域に根付く伝統と未来への挑戦

武蔵野市立第一小学校ラストコンサート|地域に根付く伝統と未来への挑戦

2025年武蔵野市立第一小学校ラストコンサート 案内
2025年武蔵野市立第一小学校ラストコンサート 案内

武蔵野市立第一小学校 ラストコンサート 〜10年の歴史と新たな一歩〜

武蔵野市立第一小学校のラストコンサートが開催された。
会場は武蔵野市民文化会館
あいにくの天気ではあったが、開場とともに多くの観客が詰めかけ、最終的には満席となった。
演奏が始まると、小学生とは思えないほどの力強く繊細な音色がホールいっぱいに響き渡り、
そのたびに観客から惜しみない拍手が送られた。

このコンサートは、10年の歴史を持つ、学校と地域が一体となる大切な舞台である。
そして、私が保護者として関わったのは、このコンサートが武蔵野市民文化会館で行われるようになってから最初の年だった。


地域に根付いたラストコンサートの歴史

このラストコンサートが始まったのは、今から約10年前のこと。
私自身も娘が第一小学校の吹奏楽団で活動していた頃に、このコンサートの誕生を見届けた一人だ。

当時、指導にあたっていた先生は、
「会場が埋まらないと子どもたちが可哀想だから」との配慮から、2階席を封鎖し、1階席に観客を集中させるという判断をした。
演奏する子どもたちが、できるだけ多くの観客の前で堂々と演奏できるようにとの想いが込められていたのだろう。

しかし、いざ開場してみると、予想を超える数の地域の方々が来場。
1階席だけでは到底収まりきらず、急遽2階席を開放することになった。
この出来事が、第一小学校の吹奏楽団の人気の高さ、そして地域に支えられていることを実感するきっかけとなった。

あれから10年——
今では、このコンサートは地域に定着し、毎年満席となるほどの人気イベントとなった。
年々参加者が増え、演奏のクオリティも向上し、吹奏楽団の伝統としてしっかりと根付いている


新たな時代へ 〜受け継がれる吹奏楽団の精神〜

今年のラストコンサートは、これまでとは少し違った意味を持っていた。
長年にわたり指導を続け、吹奏楽団を育ててくださった先生が昨年度、定年退職されたのだ。
先生は、子どもたち一人ひとりの個性を大切にしながら、吹奏楽の技術だけでなく、音楽の楽しさやチームワークの大切さ、そして人生の厳しさを伝え続けてきた。
その情熱と指導力のおかげで、第一小学校の吹奏楽団は、今や武蔵野市でも高く評価される存在となった。

そして今年からは、新しい先生を迎えての新体制でのコンサートとなった。
指導方法や演奏の進め方には、当然ながら新しい先生のスタイルがある。
「これまでとは違う吹奏楽団になってしまうのでは?」と少し心配する気持ちもあった。

しかし、今日の演奏を聴いて、そんな不安は吹き飛んだ。
新しい先生は、これまでの伝統をしっかりと受け継ぎながら、新しい風を吹き込んでいることが伝わってきた。
演奏の力強さ、表現の豊かさ、そして子どもたちの楽しそうな表情——
それらすべてが、「これまでの吹奏楽団の歴史を大切にしつつ、新たな音楽を作り上げていこう」という想いを表していた。
その姿勢に、心から感謝の気持ちを抱いた。


未来へつながる音楽のバトン

このラストコンサートを聴きながら、改めて音楽の持つ力を実感した。
子どもたちは、ただ楽器を演奏するだけではない。
そこには、仲間とともに努力を積み重ね、目標に向かって挑戦する姿がある。
そして、それを見守り、応援し、支える先生や保護者、地域の人々の存在がある。

私自身、10年前にこのコンサートが始まった頃、まさかここまで地域に根付くとは思っていなかった。
しかし、年を追うごとに演奏のレベルが上がり、観客も増え、このコンサートが多くの人にとって大切な恒例行事となっていることを感じる。

音楽は、一度きりの演奏で終わるものではなく、次の世代へと受け継がれていくもの。
今日、会場で演奏を聴いていた子どもたちの中には、
「いつか自分もこのステージに立ちたい」と夢を抱いた子がいたかもしれない。
そうして、この吹奏楽団の歴史がこれからも続いていくのだろう。


武蔵野市の吹奏楽教育 〜世界へ羽ばたく未来の奏者たち〜

武蔵野市は、特色ある学校教育の一環として、吹奏楽の指導に力を入れている
市の予算も一定の金額が計上され、楽器の購入、指導者の派遣、演奏会の開催支援など、
子どもたちが音楽に親しめる環境が整えられている。
このような背景があるからこそ、高いレベルの吹奏楽団が育つのだろう。しかし、一方で高いレベルの指導については、指導者である先生に依存してしまっている現状もある。こうし課題は今後も考えていかなくてはならない。

だが、武蔵野市が吹奏楽に力を入れている限り、いずれ武蔵野市から全国、さらには世界へと羽ばたく奏者が生まれる日もそう遠くはない
いつか、第一小学校の卒業生の中から、プロの演奏家として活躍する人が現れるかもしれない。
そして、その原点が、このラストコンサートのステージにあったと語られる日が来ることを、心から楽しみにしている。

武蔵野市立第一小学校の吹奏楽団のみなさん、素晴らしい演奏をありがとう!
これからも、その音楽でたくさんの人を感動させてください。

そして、10年後、20年後も、このラストコンサートが地域の人々に愛され続けますように。

RELATED ARTICLES